ブックタイトルkawanishivol91_1607

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kawanishivol91_1607

6 昨今、情報化社会が加速しています。たとえば、街中の防犯カメラ等が来店者を記録。現在は法で禁止されていますが、もしこれをカードでの買物情報と付け合わせれば、誰がいつどこで何を買ったかの動向が正確につかめます。 昨年は、アップルウォッチも発売されました。アップルやグーグルのような米国企業は、アップルウォッチやグーグルカーから得る消費者情報によって、個人の生活を深く知り、そのビッグデータから最適なマーケティング提案を行なおうとしているのです。■昨年末?今年のトレンドは 次の時代のトレンドは、前の年の流行語にも表れます。たとえば、昨今話題の「アナ雪」「ハリポタ」「妖怪ウオッチ」。一般に、二世代、三世代消費は子どもが幼稚園から中学2年生の間に起こりやすいのですが、いま日本で一番人口が多い「団塊世代」がそのおじいちゃん、おばあちゃん年齢で、二番目に多い「団塊ジュニア」がその親年齢。あと4、5年は有望なマーケットです。新百合ヶ丘周辺など、親と子世帯の「近接居住」が多いエリアでは特にそうです。■人口ピラミッドから「マーケットサイズ」を読む 一方で、今後シングルマーケットは拡大します。現29歳以下の男性では「生涯未婚」が3人に1人、女性でも4人に1人になると推測されています。さらに今後増えるのが、団塊世代の「妻」の一人暮らし。彼女たちの多くは3?5歳年上の夫と結婚しているうえ、日本は平均寿命が女性のほうが6?7年長いからです。 そこで最近、流行っているのが「プチ(少量、小サイズ)」と称した商品群。2019年以降、日本ではいわゆる「ニューファミリー」は一切増えず、一人暮らし世帯のみが上昇を続けるので、逆に「プチ」は有望なマーケットです。■世代特性にも戦略のヒントがあるバブル世代(40代後半?50代)?さとり世代(主に20代) バブル世代は女性の社会進出で、未婚化が急増。「負け犬」「おひとりさま」と言われ、30代女性の75%が結婚まで親と同居するようになりました。しかもそのうち3割以上は、1円も家にお金を入れていない。だからこそ、「おひとりさま消費」が成り立ちます。ただバブル崩壊で突如、将来への不安を感じたアラフォー男性では、「独身王子」消費がもてはやされる反面、心理的な閉塞感は女性以上に大きなものがあります。 一方、好景気の恩恵を受けられず「貧乏クジ世代」とも呼ばれる団塊ジュニアの女性からは「母娘消費」が伸びました。「ママ、一緒に行こうよ」と団塊世代の親に上手にねだり、その仲良しぶりは結婚・出産後も続きますが、背景には団塊ジュニアママの約7割が共働きで、子どもの預け先を「近接居住」の親に頼らざるを得ない、との現実もあります。不況な中でも常に女性が消費をリードしてきたのが、「アラサー 草食系世代(29歳?37歳)」。節約&キレイ好きで、ナンバーワンよりオンリーワン。ただショックだったのは、同世代男性の100人のうち74人が、子どものころ親に「これからは、国も会社もあなたを守ってくれないのよ」「だからちゃんと貯金して、友達や家族を大事にしなさい」と言われたことがある、と答えたことです。彼らにとって、親は自分を裏切らない「最後の砦」。だからこそ家族が大好きで、結婚式でも家族全員でのケーキ入刀がブームです。 19歳?28歳の「ゆとり世代」は、デジタルネイティブ。時間やお金を効率よく遣う「コスパ(コストパフォーマンス)消費」に努めます。さらに何事にも透明性を求め、「ブラック」な企業には容赦ない。ただ根本はとてもいい子たちで、親のことも大好きな「親ラブ族」。夫か妻、どちらかの実家から30分未満に住む「近接居住」は、既に20?30代夫婦の65%超。その意味でも今後、近居の二世代、三世代を捉える視点が、非常に重要なのです。いまの時代のトレンドに、次の世代につながるヒントがあるのです第4 回通常総会記念講演会明日から経営に役立つ!?今の消費者の価値観とココロとは?Commemorate lectureテンポよい語り口で今の時代を切る牛窪 恵氏「草食系男子」「おひとりさまマーケット」「年の差婚」などを世に広めたマーケティングライターの牛窪恵氏。代表取締役を務める有限会社インフィニティは、グループインタビューやフィールド調査、行動観察調査など「定性調査」を得意とするマーケティング会社だ。マーケティングのいまと世代分析を通じていまの消費者の価値観、ココロを読み解く方法をお話しいただいた。世代・トレンド評論家有限会社インフィニティ代表取締役牛窪 恵氏